イ 寸法になって歩行する
ロ 天界と地界の間を歩くのではなく移行する
ハ ガラスの目玉 額に一つ目をつける
ニ 見る速度より 映る速度の方が迅い
ホ 足裏にカミソリの刃
へ 頭上に水盤
ト 蜘蛛の糸で関節が吊られている
チ 歩きたいという願いが先行して 形が後から追いすがる
リ 歩みの痕跡が前方にも後方にも吊り下がっている
ハ ガラスの目玉 額に一つ目をつける
ホ 足裏にカミソリの刃
へ 頭上に水盤
ヌ 奥歯の森 からだの空洞に糸
ル 既に眼は見ることを止め 足は歩むことを止めるだろう
そこに在ることが歩む眼 歩む足となるだろう
オ 歩みが途切れ途切れの不連続を要請し 空間の拡がりを促す
イ 寸法になって歩行する
□『器としての身体―土方巽・暗黒舞踏技法へのアプローチ』三上 賀代(著)
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暗黒舞踏(BUTOH)を築き上げた土方巽。
その身体技法のなかでも重要な歩行を規定した舞踏譜の一つが「寸法の歩行」です。
「舞踏譜」。土方巽は舞踏の振付を言葉によっておこなった。
舞踏を踊るということは計り知れないほど切実な行為であるということは、土方のつぎのことばからも伺えます。
「舞踏とは命がけで突っ立つ死体」
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